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こんにちは! ブログ雅です
核家族化が進み高齢者だけの世帯が増える中、高齢者・障害者の身体状況に対応した「バリアフリー化」の推進が近年語れるようになってきました。
玄関廻りや家内において若い時は生活していくうえで支障にならなかったものも、高齢になると怪我につながるようなちょっとした危険が潜んでいます。
日々の生活を送るに当たり怪我をすることなくいつまでも自分らしい生活が送れるよう、今回は「バリアフリー」についてまとめています。
- バリアフリーの意味
- 住宅内の危険が潜む箇所と改善方法
- 介護保険の利用について
バリアフリー化を行うなど生活環境を整備することで、高齢者が日常生活を営む上で起こりうる骨折などの「けが」から身を守り衰えた下肢への負担も軽減できます。
目次
■バリアフリーの意味
「障壁(バリア)を取り除く」という意味で高齢者や障害者を対象にしています。
人は社会参加や生活をしていく過程で物理的な障害や精神的な障壁にさらされていますが、「階段」を例にとってみると普通の人なら難なく昇降できるものも高齢者の場合だと膝や腰に負担がかかり上りが困難であるばかりか、降りる時には危険が伴います。
また車椅子が移動の手段となっている障害者の場合、階段の昇降は不可能ですがスロープ(平な面にして緩やかな傾斜をつける)にすることでこれらの問題は解消されます。
このように超高齢社会を迎えた現在では、高齢者や障害者が生活しやすい「街づくり」をしていくための環境整備が推進されており、近年施設や一般住宅などもバリアフリー化が進んでいます。
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■一般住宅におけるバリアフリー
20世紀に建てられた住宅は、ほとんどがバリアフリー化しておらず改善の余地があります。
どんな所をバリアフリーにしたらいいの?
□段差の解消が必要な場所
国もバリアフリー化の中で特に「段差の解消」と「手すりの設置」に関しては21世紀に入ったころから推進しています。
【玄関までのアプローチ】
門扉周辺部分の道路から玄関までの段差の解消が必要な場合「スロープ」を設置します。
スロープは段差を緩やかな勾配に変えるためのものですが、スロープを導入する場合の注意点として利用者の能力だけでなく介助者の車いすの操作能力も考慮する必要があります。
車いすの使用に適したスロープは勾配が緩やかであることが前提となるため、高低差が大きい場合はスロープを長くとらなければいけませんからスペース等に問題がある時は段差解消機など他の方法で解決します。
また障害者が立位で移動の際には、下肢装置を装着して股関節を固定していると逆に移動しにくいケースもあります。
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【玄関入り口の上がりがまち】
約30㎝ある段差を解消するために「式台」を設置します。
【屋内の1㎝前後の段差】
高齢者になると足を背屈する筋力や感覚機能が落ちるため、1㎝位の段差でも「つまづき転倒」しやすくなりますから、和洋室の床段差の解消には「すりつけ板」を設置したり、敷居段差の解消には「V溝レール」を埋め込むなどの方法をとります。
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色彩・照明
夜間でも段差が容易に確認できるよう照明を設置したり、部分的に色を変えるなどの工夫が必要です。
また道路から玄関までのアプローチの距離が長い場合には、屋外灯を儲ます。
段差解消機
屋外と屋内、道路と敷地などの比較的大きな段差を解消し、歩行が困難な人や車いす使用者の自立移動を可能にするための「垂直移動装置」で狭い敷地でも設置できることから、スロープを長くとれない場合や階段の上り下りが困難なケースでも用いられます。
駆動方式は介助者がハンドルまたは足ふみペダルを操作する「手動式」と、本人にも操作可能な「電動式」があります。電動式にはパンタグラフ式の昇降機構をもつ物と、台の側面の支柱に沿って昇降するフォークリフト式があります。
□手すりの設置が必要な個所
手すりは用途により形状が異なりますが、トイレなどには立ち座り用の縦手すりと座位保持用の横手すりを合わせた「L型手すり」や、車いす使用者に適した「可動式手すり」などがあります。
手すりを設置する場合、周囲の色と同化しないよう目立つ色にする工夫も必要です。
【玄関内のスペース】
玄関の端のスペースに靴の脱ぎ履きや装具の着脱に使用するベンチ(腰かけ台)を設置し、立ち上がる際につかまるための「縦手すり」を取り付ける。
【階段】
手すりの設置は降りる時の利き手側といわれるように、降りる際は特に注意しないといけません。また踏面の幅が短い場合は滑り止めのテープを貼っておきましょう。
【浴室】
浴槽の入り口付近に「浴槽用手すり」を取り付けて、立位で浴槽をまたぎ越す時に身体の安定を保ちます。
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【トイレ】
手すりの上端は肩より100mm上方までとし、縦手すりは便器先端から200~300mmの位置に設置しますが、足腰が弱ってきた場合は縦手すりの位置を便器先端から少し離れた位置にするのが適切です。
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□車いすで通行可能な幅を確保する
【介助用車いすで室内に入る】
介助用車いすを使用する場合、廊下に面した開口部の開口有効寸法が最低でも750mm以上必要になりますが、通常の廊下の歩行に有効な幅は最大で780mmのため介助者が後ろに回り込むことが困難になり腕力を要しますから、幅やスペースを確保する工夫が必要です。
【自走用車いすで室内に入る】
自走用車いすを使用する場合は、廊下の有効幅員が780mmの場合には廊下に面した部屋の開口幅員は950mm以上必要です。
【玄関スペース】
玄関の土間・ホール部分にベンチや式台を設置した場合、介助スペースを考慮すると玄関間口は有効幅員1,650mm程度必要になります。
車いすを使用する場合は車いすが土間部分に入るよう、土間の奥行を有効で1,200mm以上確保します。
【高齢者をコロナから守ろう!】
最近では若い人が外からウイルス持ち込んで、同居している高齢者を感染させてしまう事例が増えているようです。
皆さんも周知とうり高齢者は感染すると重症化するリスクが若い人より高いため、2世帯あるいは親子で生活を共にしている世帯では特に注意が必要です。
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■介護保険が利用できる住宅改修サービス
【予防給付・介護給付】
予防給付は支援が必要と認められた人、介護給付は介護が必要と認められた人に給付される介護保険の保険給付で要支援・要介護認定で、支援や介護の必要な度合いについて審査・判定されます。
予防給付の対象となる人は要支援1及び要支援2で、介護給付の対象となる人は要介護1~要介護5となっています。
・保険が適用されるもの
- 手すりの取り付け
- 床段差の解消
- すべりの防止及び移動の円滑化等のための床材変更
- 引き戸等への扉の取り替え
- 洋式便器等への便器の取り替え
及びこれらの工事に付帯して必要となる住宅改修
※支給限度基準額のあるサービス