認知症の介護

認知症高齢者 介護

出典:skizouさん/写真AC

 

こんにちは! ブログ雅です

今の日本は高齢者人口の増加に伴い、認知症高齢者も年々増加しています。

 

認知症高齢者年齢別有病率

出典:首相官邸ホームページより

 

さらに核家族化により単身世帯や夫婦二人の世帯が多くなっている状況下において、老々介護からくる介護疲れで体調を崩したりするケースも増えているようです。

今回は認知症を患っている人に対しての介助方法や、接し方についてまとめました。

 


 

 

ワシの物をいつも誰かが盗んどる!

誰も取っとらんいうが、皆嘘をついてワシをだましとる!

 

認知症高齢者によくみられる「物取られ妄想」です。

高齢になれば誰しもちょっとした物忘れはあるものですが、正常な状態であれば物を置いていた場所を忘れるのに対し認知症が進むと、ここにあるはずという思い込みが激しくなり「忘れた」という感覚よりも「忘れた」こと自体への自覚がなくなります。

また、分からない?何故なのか?自分自身との葛藤もあり、周りの人にも迷惑をかけてしまう認知症には誰しもなりたくないものですが、現実には誰にでも起こりうる病です。

 
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認知症の見守り

 
 

目次

■認知症ケアの視点

 

人は誰しも一人の人間として尊重されることを望んでいます。裏を返せば皆多かれ少なかれプライドというものをもっています。

子ども扱いされたり無視されたりすれば、悲しくなったり怒りの感情がこみ上げてきたりしますが認知症を患っている人もこの部分は同じです。

 

買い物ぐらい自分でできるわね

 

「自分でできることは自分でしたい」、認知症を患っている人もそんな思いを持っています。

高齢になると買い物などで外出する際、腰や膝に痛みを訴える人も多くなり歩くことがかなりしんどくなります。こんな時は「シルバーカー」がオススメです。

また脳血管型認知症は葛藤型という怒りっぽい性格に人格が変わってしまうため、介護者は戸惑い横道な態度で接するケースもよくあるようです。

人も感情に支配される生き物ですが、イライラした感情を押し付けるような接し方が続くようだと介助を受ける側も自分の殻に閉じこもってしまい、無気力が高じて生きていく意欲を失うかもしれません。

このことから介護者や周りの人たちは認知症というものをしっかり理解し、介助を受ける人の側に立って考えその人の尊厳を守り」、「その人らしい生き方」ができるように導いてあげることが大切です。

 

 

■初期の認知症への介護

 

初期の認知症への対応として自宅で過ごしながら定期的に訪問介護(ホームヘルプサービス)や通所介護(デイサービス)などの在宅サービスを利用する方法があります。

 

初期の認知症を症状が似ている「うつ」と思い違いをしてしまうケースもあるので注意が必要です。

 

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□訪問介護(ホームヘルプサービス)

 

訪問介護」は本人の慣れ親しんだ環境の中、同じ日程でサービスを受けられるのが特徴で、買い物、食事、洗濯、掃除といった家事支援を本人のやり方や好みに合わせて行っていきます。

 

ホームヘルパー

出典:こうまるさん/写真AC

 

介助者が全てのことは行いません。というのも本人が「自立した生活」を行う上での援助になりますから、自らができることはできるだけ自分でしてもらうようにします。

これは訪問介護計画のなかで認知症の進行やその日の体調などに合わせて、本人にしてもらうことや援助方法を調整しながら対応していくことになります。

また、支援していく過程で食事状況や水分摂取量などをチェックし、体調面での不具合や変わった様子はないか?といったところもその都度確認します。

定期的な支援を行っていくにあたり、ちょっとした変化にも気づくことができるため病気を発見するきっかけにもなります。

 

 

□通所介護(デイサービス)

 

通所介護」は一般的には「デイサービス」として知られていますが、大勢の人たちと交流がもてる場を提供してくれることに加え、入浴が困難な人でも介助があるので本人の肉体的・精神的負担も軽減されます。

 

デイサービス

出典:カメラ兄さんさん/写真AC

 

また色々なレクリエーションも行っているので、趣味や運動などを通じて心身を活性化させるなど楽しい時間を過ごすことができます。

>>レクリエーションをもっと知る

 

デイサービスの特徴は集団で物事を行うことにありますから、一人では気が引けていたことも団体で行うことで気持ちが前向きになりやってみようという意欲が湧いてきたりします。

集団の中に身を置くことは非常に大切で、他人と会話をする機会も増えるため身なりを気にするようになるなど社交性を取り戻すきっかけにもなります。

 

これらのことは本人が持つ残存能力を引き出すことにもつながるため、認知症の進行に歯止めをかけていくことも期待できそうです。

 

 

■中期の認知症への介護

 

この段階に入ると理解力や判断力の低下からこれまでできていたことができなくなったり、「見当識障害」からくる昼夜逆転や物の名前が出てこない「健忘失語」、話の内容はもとより言葉を聴覚的に理解できなくなるなど様々な障害が見られるようになります。

こうなると本人にも戸惑いや混乱が生じ不安やイライラを募らせてしまい、介護者にやり場のないストレスをぶつけてしまうこともあります。

このほか中期の認知症は「せん妄」や「幻覚」が出現することもあり、介護者の肉体的・精神的負担を増大させることになります。

 

泥棒が入ってきた!どうしたらいいの?

 

大切なことは行動を引き起こしている原因となっているものは何なのかを突き止め、かかわり方や環境を整えていく必要があります。

中期の認知症の人が過ごす場として、(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)やグループホーム、特定施設などがあります。

 

 

□特定施設(有料老人ホーム、ケアハウス)

 

サービスの内容が多様化していることから、本人の心身の状態やライフスタイルなどを考慮して選択するようにしましょう。

施設の特徴としては日常生活を送る上で困難となったことへの介助に視点を置くのではなく、「今できること」に着目して、失いかけている残存能力をいかに引き出していくかということを念頭にケアを行っているようです。

 

 

□グループホーム

 

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は認知症と診断された要支援2~要介護5の利用者が、1ユニット5~9名のグループに分かれて共同生活を送ります。

 

グループホーム

出典:himawariinさん/写真AC

 

特徴としてはプライベート空間が個室になっていて、利用者が慣れ親しんだ物が持ち込めるため認知症特有の「環境変化」による「リロケーションダメージ」が軽減できるところが利点といえます。

介護の内容を見てみると日々の生活の中で「できること」と「できないこと」を明確にし、利用者個々の能力に応じた介護を行っているようです。

社会参加といった面においても地域の人たちと会話や食事、娯楽などを共にし地域社会とのつながりを持ちながら暮らします。このことは孤立を防ぎ、「認知症の進行防止」といった観点からも有効だと思います。

 

 

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